
ワインに合わせるために、引いたものと足したもの。
餃子はふつう、ビールに合わせて設計されます。油を多めに、味を強く。けれど私たちがつくりたかったのは、ワインの隣に置ける餃子でした。 そこで肉は、鴨と豚を半々に。そこへハーブを足しました。強さで押すのをやめて、香りと余韻で立たせる方向に切り替えたのです。 ここから先は、その一つひとつをご説明します。

餡の主役は鴨です。鶏や豚では出せない、澄んだ旨味と独特の香りを持っています。加熱しても身が締まりすぎず、噛んだときにじゅわりと汁が出る。この食感を餃子の中に閉じ込めたくて、この食材を選びました。店では生ハムやコンフィにも仕立てており、鴨という素材の扱いには長く向き合ってきています。

鴨だけで包むと、味は濃くなりますが食べ疲れます。そこで豚を半分。豚のまろやかさが鴨の輪郭をやわらげ、最後の一個まで手が伸びる餡になります。半々という比率は、どちらかを引き立てるためではなく、両方を同じだけ立たせるための配分です。餡づくりの工程でも、鴨肉と豚肉は半分ずつ合わせています。

ワインの隣に置くなら、香りをどう設計するかが要になります。選んだのがハーブです。口に入れた瞬間ではなく、噛んで飲み込んだあとにふわりと立ち上がる程度に抑えています。主張しすぎればワインとぶつかり、弱すぎれば物足りない。この餃子の後味は、ハーブが引き受けています。
01工程としてはまず、野菜と肉をそれぞれ細かく刻むところから始まります。そこへ鴨と豚を半分ずつ合わせ、調味料と混ぜて餡に仕上げる。鴨だけでもなく、豚だけでもなく、半分ずつ。この配分がオペレッタ52の鴨餃子の土台になっています。焼いたときの香りも、噛んだときの食べごたえも、ここで決まります。
02ワインに合わせると決めた時点で、香りをどう設計するかが課題になりました。答えがハーブです。ただし入れすぎると洋風に振れすぎて、餃子から離れてしまう。焼いたときに立ち上がる量、食べ終わったあとに残る量を見ながら、控えめなところで止めています。ワインを挟んでもう一個、が続く配合です。
03餡を皮に包んだら、形と重さを確認して急速冷凍にかけます。時間を置くと皮が餡の水分を吸って、焼いたときの立ち上がりが鈍る。だから包んだそばから凍らせる。検品を経て包装し、そのまま出荷します。ご家庭の冷凍庫で保管して、食べたい日に取り出していただければ、店と同じところから始められます。

原材料を仕入れるところから始まります。野菜と肉をそれぞれ下処理し、餡にする準備を整える。仕入れたものの状態を見ながら、余分なところを落としていく地味な時間です。ここが揃っていないと、あとの工程でいくら手をかけても味が定まりません。

刻んだ具材に、鴨肉と豚肉を半分ずつ合わせます。そこへ調味料を加えて混ぜ合わせ、餡に仕上げる。混ぜ方ひとつで食感が変わるため、練りすぎないよう手早く。ハーブもこの段階で加わります。餡ができた時点で、その日の出来のおおよそは決まります。

餃子の皮に餡を包み、ひとつずつ成形します。包む量が多すぎれば皮が破れ、少なすぎれば食べたときに物足りない。同じ重さで、同じ形に。手の速さと正確さの両方が要る工程です。焼いたときの均一さは、ここでほとんど決まります。

形と重量を確認し、基準から外れたものは弾きます。そのうえで、必要に応じて加熱するか、急速冷凍にかける。冷凍は時間との勝負で、包みたての状態をできるだけそのまま閉じ込めることを狙っています。ゆっくり凍らせると、皮の食感が変わってしまうためです。

最後にもう一度検品し、包装と梱包を行って出荷します。冷凍のまま届くよう配送方法を選び、ご家庭の冷凍庫にそのまま入れていただける形に。ここまで来てようやく、店の外へ出せる状態になります。届いた箱を開けたところから、この餃子の続きが始まります。